■ Hello School 古典 文法 助動詞 らる ■
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らる 受身尊敬自発可能の意味をもち、下二段型の活用で、四段・ナ変・ラ変動詞
 以外の未然形につく。
基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用の型
らる られ られ らる らるる らるれ られよ 下二段型
 ※「自発」「可能」の意味をもつ場合、命令形はない。

(1)受身…[〜れる・〜られる]
らる いかなる車かのけられんずらんと、人々目をすましたる所に、(十訓抄・一−二七)
 (どの車が退けられるのだろうと、人々が目を輝かせていたところ、)
 
[未然]
からき命生きたれど、腰斬り損ぜられて、(徒然草・八七段)
 (かろうじて命は助かったが、腰を切りつけられてしまい、)
 
[連用]
いきほいあるものは貪欲ふかく、ひとり身なるものは人にかろめらる(方丈記)
 (権勢あるものは貪欲深く、孤立しているものは人から軽んじられる。)
 
[終止]
めでたしと見る人の、こころ劣りせらるる本性見えんこそ口をしかるべけれ。(徒然草・一段)
 (立派だと思っていた人が、思ったよりも劣っている本性を見られるようなのは残念なことである。)
 
[連体]
その心御覧ぜられよ(源氏物語・若菜下)
 (その志をお見知りおきなさるようにしなさい。)
[命令]

(2)尊敬…[〜なさる・お〜になる・〜れる・〜られる]
らる なめげなる物に思しめし止められぬるなん、心にとどまり侍りぬる。(竹取物語・かぐや姫の昇天)
 (無礼者とご記憶なされてしまったことが、(私には)心残りでございます。)
 
[連用]
南谷の別院に舎[やどり]して、憐愍[れんみん]の情こまやかにあるじせらる(おくのほそ道)
 (南谷の別院に泊まることになり、(阿闍梨は)思いやりが深く、細々ともてなし下さった。)
 
[終止]
「それを見てだに帰りなむ」と仰せらるれば、(竹取物語・かぐや姫の昇天)
 (「それ(かぐや姫)の姿だけども見て帰ろう」とおっしゃれるので、
 
[已然]
いづくも思ひ定められよ(源氏物語・梅枝)
 (どこへでもお決めなさい。)
[命令]

(3)自発…[自然に〜れる・自然に〜れてくる]
らる ただ、いとまことのこととこそ思うたまへられけれ。(源氏物語・蛍)
 (ただもう、本当のことと思われます。)
 
[連用]
さすがに辺土の遺風忘れざるものから、殊勝におぼえらる(おくのほそ道)
 (なんといっても、これだけの片田舎に残っている風流を忘れないのは、立派なものである。)
 
[終止]
今見る人の中に思ひよそへらるるは、たれもかく覚ゆるにや。(徒然草・七一段)
 (今いる人の中に(物語の人物を)思い合わせられてくるのは、誰にでも思うことなのであろうか。)
 
[連体]
さやうの所にてこそ、よろづに心づかひせらるれ(徒然草・一五段)
 (そのような所こそ、すべてに気づかいされられることだ。)
[已然]

(4)可能…[〜できる・〜れる・〜られる]
らる 庵なども浮きぬばかりに雨降りなどすれば、恐ろしくていも寝られず。(更級日記)
 (仮小屋が浮き上がるばかりに雨が降るので、恐くて寝ることもではない。)
[未然]
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