■ Hello School 古典 文法 助動詞 しむ ■
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しむ 使役尊敬謙譲の意味をもち、下二段型の活用で、活用語の未然形につく。
基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用の型
しむ しめ しめ しむ しむる しむれ しめよ 下二段型

(1)使役…[〜せる・〜させる]
しむ 芸はこれつたなけれども、人の耳をよろこばしめむとにはあらず。(方丈記)
 (芸については下手であるが、聞く人の耳を喜ばせようとものではない。)
 
[未然]
この幣の散る方に、御船すみやかにこがしめたまへ。(土佐日記・一月二六日)
 (この幣の散る方へ、御乗船を速やかに進ませてください。)
 
[連用]
めでたき祝ひの中に、涙を流し心を痛ましむ(平家物語・厳島御幸)
 (めでたいお祝いの中であっても、涙を流して心を痛ませた。)
 
[終止]
たがためにかを心を悩まし、何によりてか目を喜ばしむる(方丈記)
 (誰のために心を悩ませて、何のために目を喜ばさせるのだろうか。)
 
[連体]
皆取り出だして食はしむれば、(今昔物語・二六−九)
 (全部取り出して食べさせると、)
 
[已然]
仙の力をもって空より飛ばしめよかし。(今昔物語・一一−二四)
 (仙人の神通力で空を飛ばさせよ。)
[命令]

(2)尊敬…[〜なさる・お〜になる・〜れる・〜られる]
しむ 御衣賜はり給へりしを、筑紫にもて下らしめ給へりければ、(大鏡・時平伝)
 (御衣をいただきなさり、(それを)筑紫にもってお下りになされたので、)
[連用]
 ※「給ふ」などの尊敬語について高い尊敬の意を表す。

(3)謙譲…[〜いたす・申し上げる]
しむ 家貧ならむ折は御寺に申し文を奉らしめむ。(大鏡・道長伝)
 (もし家が貧しくなった折には、御寺(法成寺)に嘆願書を奉り申し上げましょう。)
[未然]
 ※「聞こゆ」「啓す」「申す」「奉る」などの謙譲語について高い謙譲の意を表す。
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