■ Hello School Library 一般作品(詩)■
Hello Schoolが選んだ一般の方の作品です。
少女飛行機
たもつ


言葉のひとつひとつに歓声があがり
思い思いに笑い転げ
級友たちの恋の話は
昼休みの教室で佳境をむかえていた

数年も経てば
誰もが通る道である
ということを知るのだろうが
その前に先ず数分の後には
日直の号令にあわせ
起立をしなければならない

少女は輪から少し離れて
窓際の席にいた
スケッチブックを青く塗りつぶしながら
魚を描こうか
雲を描こうか
まだ迷っている最中だった


作品の著作権は作者が保持します。無断転載を固く禁じます。
形式…口語自由詩

主題…「自分」

主な表現技法
解説

※はじめに
詩というものは、読み方は自由であり、ここで解説
する内容はあくまでも作者・編者の主観によるもの
であることを予め記しておきます。


人と同じである、ということにひどく安心する。
その一方で、どこか人と違うということを確認し
たがり、「変な自分」を周囲の人間にアピールし
たがる。
ある特定の世代に特有な熱病のようなものかもし
れない。
自分を自分として生きる(自分らしく生きる、で
はない)、ということは案外簡単なことで、それ
が簡単なことだと気づくことは意外と困難なこと
かもしれない。
そのことに気づいた子は、「冷めた子」「大人び
た子」として分類される。
誰もがいつかはとおる通過儀礼のようなもので、
早いか遅いかだけのことだ。その早いか遅いかも
ただの相対的な話で意味の無い単位ではあるけれ
ど。


朗読 Tanpopo
(MP3 952KB)
 インターネットラジオ
 「ぽぽの放送」担当
朗読 緋刄 乙(ひば きのと)
(MP3 261KB)

 高校生(収録当時)
Windows Media Playerが立ち上がるので画面を小さくするか隠したりして、
本文を見ながら聞くと効果的です。
作者…たもつ
 「現代詩フォーラム」最上位実力者。  メインサイト…こっそりと詩
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