■ Hello School Library 一般作品(詩)■
Hello Schoolが選んだ一般の方の作品です。
見える
蓮野 唯

風が見える

それはある粉雪舞う日
前に後ろに
上から下から
流れる粉雪
まるで川底にいるかのように
流れる風をこの目にする

それはある桜散る日
はらはらしたと思えば
ざあっと流れ
目の前は淡い桜色に煙る

風が見える
風を見る

風を感じて
共に歌えば
私の髪に風が流れる

そしてあなたも
風を見る

作品の著作権は作者が保持します。
無断転載を固く禁じます。
朗読 Tanpopo
(MP3 1.00MB)
 インターネットラジオ
 「ぽぽの放送」担当
Windows Media Playerが
立ち上がるので、画面を
小さくするか隠したりして、
本文を見ながら聞くと
効果的です。
形式…口語自由詩

主題=「視点を変える」

主な表現技法
解説

※はじめに
詩というものは、読み方は自由であり、ここで解説する内容は
あくまでも作者・編者の主観によるものであることをあらかじめ
記しておきます。


3月のある日、雪が降った日がありました。
私が買い物へ行くスーパーまでに、広い空き地があります。
そこにいたとき、風に舞う雪が、時に真正面から、時に右から、
あるいは下からというように舞っていたのです。
普段見えない「風(空気)」ですが、
雪を見ることで「風が見えた」
と感じ、この詩が生まれました。

桜吹雪もまた風を見せてくれます。
桜は散る時期がやって来ると、潔く散りますから、少し強い風が
吹けば目の前が見えなくなるほど花びらが散ります。
情景的に美しいと感じましたので、雪と桜を選びましたが、砂嵐
でも風は見えるでしょうし、秋の木葉でも見えるでしょう。
杉花粉でも見えますね。

風は「肌で感じる」ことはありますが、視点を変えるとこのように
「見る」ことができるものです。

また、視点を変えれば
風を「聞く」こともできます。

見えないからと言って無いわけではなく、確かにそこにあるのです。
見ようとすれば見える。聴こうとすれば聴こえる。感じようとすれば
感じられる。
視点を変えるということは、世界が変わるという意味を持っています。

物事を多面的にとらえることは、生きていく上で重要であり、新しい
発見をさせてくれる
ものです。

飛ぶ鳥を見ても、流れる雲を見ても、風は「見えます」。
鳥は当たり前のように飛ぶでしょう。しかし、鳥を見るか、風を見るか
は自分で決めることなのです。
あるいは、鳥を見て、鳥も風も見ないでもっと別のものを見る人が
いるかもしれません。
視点を変える、というのは、物事のとらえ方・感じ方を変えるという
こと
ですから、可能性は無限にあります。

この詩を読んで、何か感じることがあれば、自分なりの風の見方を
考えてみて欲しいと思います。


 

作者…蓮野 唯 「現代詩フォーラム」主軸投稿者。 
 Top
Hello School 図書館の案内とお問い合わせ一般作品(小説)-1一般作品(小説)-2一般作品(詩・短歌・俳句)Hello School オリジナル作品他リンクHello School 文芸クラブ