■ Hello School Library 一般作品(詩)■
Hello Schoolが選んだ一般の方の作品です。
桜風
三州生桑
桜は傷つくごとに優しく花を咲かせます

うとんじられては優しく咲き
さげすまれては優しく咲き

これ以上優しくなってどうするのかと
桜自身も思ってはゐますが

優しく咲き
優しく咲き

そんな桜は詩人になるほかないのです

この春の桜は、とても優しく咲くでせう
それはそれは切ないほどに
優しく優しく咲くでせう

風に舞ふ桜の花びらは
想ふ人に想はれぬ
優しい詩人のため息です

作品の著作権は作者が保持します。無断転載を固く禁じます。
形式…口語自由詩

主題=「優しさ」

主な表現技法…擬人法・反復法
解説

※はじめに
詩というものは、読み方は自由であり、ここで
解説する内容はあくまでも作者・編者の主観に
よるものであることをあらかじめ記しておきます。


前半では、傷つきながらも桜の花は優しく咲くこと
を述べ、それは人で言うならば詩人であると表現
されています。
後半では、その詩人の優しさは想っているほど
相手や周囲には想ってもらえず、そのため息は、
優しく咲いた桜の花びらが舞うのと同じようだと
例えています。


傷つけば傷つくほど優しくなれる。
しかもそれは見事に綺麗に花を咲かすことが
できることをこの詩では読者に訴えています。

傷つくこと自体は悲しく切ないことですが、それは
これからの自分をよりもっと優しくする1つの出来事
なのです。
他人には同情されなかったり、想ってもらえない
ことにため息をつくこともあったりもしますが。


 

朗読 Tanpopo(MP3 1.25MB)
 インターネットラジオ 「ぽぽの放送」担当
Windows Media Playerが立ち上がるので、画面を小さくするか隠したりして、本文を見ながら聞くと効果的です。
作者…三州生桑 「現代詩フォーラム」主軸投稿者。 ■三州生桑HP■
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