■ Hello School Library 一般作品(詩)■
Hello Schoolが選んだ一般の方の作品です。
中学生
七七かのこ
暑くもない。寒くもない。
あの白い大きなユニフォーム
頭の中でいま揺れている。
ひらひら。ひらひら。

足の先の感覚はとうに痺れていて
遠くの空の青、仰ぎながら
わたしを見ていてと
ただ思っていた。

青の下にいたあの子
彼女自身も忘れている
乾いたグラウンドで転ぶ
大きく手を振って

聞こえなかった
ばいばい。

作品の著作権は作者が保持します。無断転載を固く禁じます。
朗読 Tanpopo
(MP3 925KB)

 インターネットラジオ
 「ぽぽの放送」担当
Windows Media Playerが立ち上がるので、
画面を小さくするか隠したりして、
本文を見ながら聞くと効果的です。
形式…口語自由詩  主題=「孤独と焦燥感」

主な表現技法
解説

※はじめに
詩というものは、読み方は自由であり、ここで
解説する内容はあくまでも作者・編者の主観に
よるものであることをあらかじめ記しておきます。


この作品は、私自身の中学時代を振り返り
あの頃の感情をイメージ化して描いたものです。

印象として、よく残っているのだろうか。
中学時代を振り返ってみると、思い出すのは、
部活動でグラウンドを走っている時のこと。
運動部に所属しているくせに、走るのが苦手だった
私はいつも、前に走る人の背中を追いかけながら、
焦燥感でいっぱいだった。
足の先の感覚も痺れて、走ることをやめたかった
けれど、やめられなかった。
もし、私が走ることをやめても、誰も私に注目する
ことはなく、皆そのまま走り続けるだろうから。
そう思うと、必死で走って走って、皆のスピードに
追いつかなければ、と思っていた。
私を見ていて、という気持ち。そういう、凡庸に
埋もれた孤独の感情。焦燥感。
それがこの詩の主題となっていると思います。

そんな孤独と焦燥感の中でも必死になって
自分を精一杯がんばる姿と気持ちを読み取れれば
と思います。

 

作者…七七かのこ 「現代詩フォーラム」主軸投稿者。
 メインサイト…http://undergr0und.ameblo.jp/
 Top
Hello School 図書館の案内とお問い合わせ一般作品(小説)-1一般作品(小説)-2一般作品(詩・短歌・俳句)Hello School オリジナル作品他リンクHello School 文芸クラブ