■ Hello School Library 一般作品(詩)■
Hello Schoolが選んだ一般の方の作品です。
朝食楽団
ライラ

おじいちゃんが、
納豆の糸をいらいらとお箸ではらい

おとうさんが、新聞をめくる音
おかあさんが、お茶をいれる音
おばあちゃんが、おしんこをかじる音
わたしが、パンにバターをぬる音

が、一斉に奏でられる

テレビのニュースは
はじめから合わせるつもりなんてないのか
自由気ままに
テノールやソプラノで歌っている

だけど、わたしたちが
「おどろきの声」という楽器に乗りかえたら
うまく合唱できるようになった

そんな家族の
朝のオーケストラ

楽員たちは演奏を終えて
今日も一日を奏ではじめる


作品の著作権は作者が保持します。
無断転載を固く禁じます。
朗読 Tanpopo
(MP3 1.07MB)

 インターネットラジオ
 「ぽぽの放送」担当
Windows Media Playerが立ち上がるので、
画面を小さくするか隠したりして、本文を
見ながら聞くと効果的です。
形式…口語自由詩  
主題=「日常を音楽的に表現」


主な表現技法
解説

※はじめに
詩というものは、読み方は自由であり、ここで
解説する内容はあくまでも作者・編者の主観に
よるものであることをあらかじめ記しておきます。


この詩は
ごくありふれた家族の朝食の風景を
音楽的に切り取ったもの
です。

納豆の糸を箸でふりはらっているおじいちゃん
を指揮者にみたて、お父さん、お母さん、
おばあちゃん、わたし、そして、TVのニュースが
それぞれリズムを奏でています。

おじいちゃんの箸(指揮棒)の動きは何拍子か、
おとうさんが淡々と新聞をめくっているのか、
それとも面白い記事がみつかるまですばやく
めくっているのか、おばあちゃんは忙しくおしんこ
を食べているのか、わたしは眠そうにだらだら
バターをぬっているのかなど、それぞれの
リズムは読者まかせにしてあります。

ですから、あえて、
「おばあちゃんが、おしんこを”いそがしく”
かじる音」とせずに、「おばあちゃんが、おしんこ
をかじる音」というような表現をしました。

この詩は、これといって、特別複雑な技術などは
用いていませんし、
複雑な内容にもなってないと思います。
にぎやかで、楽しいそうな朝の絵が浮かんでくれ
たのなら、それだけでも十分です。

 

作者…ライラ 「現代詩フォーラム」主軸投稿者。
 Top
Hello School 図書館の案内とお問い合わせ一般作品(小説)-1一般作品(小説)-2一般作品(詩・短歌・俳句)Hello School オリジナル作品他リンクHello School 文芸クラブ