■ Hello School Library 一般作品(詩)■
Hello Schoolが選んだ一般の方の作品です。
この指とまれ
榛野 草

校庭のまんなかで
あの子がうたう

おにごっこするもの
よっといで
おにごっこするもの
この指とまれ

ちりぢりになっていた子らは
ひとり ふたり と集まってゆく
さっきまで一緒に
鉄棒の横にいた子も
あの子のほうへ

校庭の片隅の鉄棒に
ひとり ぽつんといる
君は行かないの
あの子のうたが聞こえないの

冷えた鉄棒
ぎゅっとにぎりしめ
この指とまれ
この指とまれ
 
作品の著作権は作者が保持します。無断転載を固く禁じます。
形式…口語自由詩  
主題=「孤独の寂しさ」


主な表現技法…反復法
解説

※はじめに
詩というものは、読み方は自由であり、ここで
解説する内容はあくまでも作者・編者の主観に
よるものであることをあらかじめ記しておきます。


1人の呼びかけによって、みんなが1つになって
集まり、楽しんでいる中、鉄棒に残された1人の
子。
理由はわからないけれども、みんなと打ち解けら
れない「寂しさ」がこの詩の中に感じられ、この詩
の読み取る大事なところになっています。
その寂しさが「鉄棒の冷たさ」という表面的な表現
を通して心の寂しさを読者に伝えています。
「ぎゅっとにぎりめ」は何か大切なものを感じさせ
ます。
 

朗読 Tanpopo
(MP3 1.04MB)

 インターネットラジオ
 「ぽぽの放送」担当
Windows Media Playerが立ち上がるので、
画面を小さくするか隠したりして、本文を
見ながら聞くと効果的です。
作者…榛野 草

現代詩フォーラム」主軸投稿者。
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