■ Hello School Library 一般作品(詩)■
Hello Schoolが選んだ一般の方の作品です。
さいごの言葉
Rin

 母と
 私は
 どんなさいごの言葉を交わすことになるのだろう
 父と
 私は
 どんなさいごの言葉を交わすことになるのだろう
 さいごの言葉を
 選ぶことなどできないかもしれない
 思いがけない言葉に
 なってしまうかもしれない

 あいつと交わしたさいごの言葉は
 なんだったかな
 捨て台詞みたいだったかな
 選ぶ時間も考える時間も
 たくさんあったはずなのに

 今
 突然足元が爆発して
 私がこなごなになってしまったら
 母と交わしたさいごの言葉は
 ちがうよ で
 父と交わしたさいごの言葉は
 そう

 今
 突然足元が爆発して
 私がこなごなになってしまったら
 あいつと交わしたさいごの言葉は
 捨て台詞みたいだったまま

 上書きができるうちに
 もう一回だけあいたいなあ・・・
 
作品の著作権は作者が保持します。無断転載を固く禁じます。
形式…口語自由詩  
主題=「「言葉」を持つものとして、考えたこと」


主な表現技法
解説

※はじめに
詩というものは、読み方は自由であり、ここで
解説する内容はあくまでも作者・編者の主観
によるものであることをあらかじめ記しておき
ます。


大切な人たちへ、自分が残す「さいごの言葉」
誰にどんな言葉を残すか。
命に限りがある以上、それは決して予測でき
ません。
だからこそ、人を傷つけたり、自分の価値を
下げるような言葉にだけはならないようにした
い。この先は、発した言葉に後悔することが
ないように生きたい。
そんな思いを表現した作品です。

普段は何気なく接している人たちに対して、
もしも自分がそんな状況になったとき、どう
なるのだろうと思うことや、気軽に会話して
いる人ほど本当は大切な人なのかと考え
させられる作品です。
 

朗読 Tanpopo
(MP3 1.70MB)

 インターネットラジオ
 「ぽぽの放送」担当
Windows Media Playerが立ち上がるので、
画面を小さくするか隠したりして、本文を
見ながら聞くと効果的です。
作者…Rin  「現代詩フォーラム」主軸投稿者。
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