■ Hello School Library 一般作品(詩)■
Hello Schoolが選んだ一般の方の作品です。
めぐりゆく
葉桜彰

 いつの間にか
 和らいだ青色に
 滑るように重ねられた
 白色が
 ゆっくりと
 南へ流れてゆく

 ああ やはり

 とどまることは
 許されずに

 見上げても
 見下ろしても
 吹き抜ける風が
 背中を押すけれど

 谷間に沈む陽を
 鳴いていた頃と
 同じ姿で
 あと何度見送れば
 土に還れるのか

 狂い無く
 朽ちてゆく形が
 狂い鳴く
 季節を待つ
 
作品の著作権は作者が保持します。無断転載を固く禁じます。
形式…口語自由詩  
主題=「消滅への願いとその再生」


主な表現技法
解説

※はじめに
詩というものは、読み方は自由であり、
ここで解説する内容はあくまでも作者・
編者の主観によるものであることを
あらかじめ記しておきます。


鳴いていたものは「蝉」です。
夏から秋にかけて、季節は移り変わり、
その螺旋から逃れることはできない。
けれど、死してなお、
生きていた頃と同じような形を
朽ちることなく残している蝉。
その、
完全な消滅の願いと、
子孫を残したことでの新たな再生

詩にしたものです。
 

朗読 Tanpopo
(MP3 1.01MB)

 インターネットラジオ
 「ぽぽの放送」担当
Windows Media Playerが立ち上がるので、
画面を小さくするか隠したりして、本文を
見ながら聞くと効果的です。
作者…葉桜彰(はざくら あきら) 「風人」 「現代詩フォーラム」主軸投稿者。
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