■ アリとキリギリス 21世紀Version ■
21世紀の童話はこんなふうになっちゃうんだね。
 オレはアリだ。
しかも普通のどこにでもいるアリとは訳が違うんだぜ。
いろいろなアリの巣の中でも、最大規模の巣の中に住んでいるのさ。いわゆる、超エリートって言うわけだ。
 誰もがこの地位になれるということはない。
巣全体からの方針として出された目標の量のエサを取ってこなければこの地位につくことは出来ない。
 必死になってエサを探したり、休んでもいいというのに探しに出かけたり、目標を達成していても、
他の同僚がやっていれば付き合ったりしなければならないこともあるが、今の地位を保つことを考えれば、
エリートの自分にとってはそんなに辛いことではない。
 現に、今までにそうやってきたおかげで、巣の中でもけっこういい場所に暮らすことも出来るし、巣全体から
表彰されたりして、今では自分はこの巣の中では必要不可欠な存在なのだ。

 さて、今日も暑い日ざしが照りつけているが、エサを取りに出かけるとしよう。
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