■ Hello School 古典 文法 助動詞 練習問題(4)■
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[範囲…なり(伝聞・推定)]
 
1.次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。

 少し眠った源氏は、怪しい美女が現れ、恨みを言いながら、夕顔をかき起こそうとする夢に
うなされて目を覚ます。燈火も消え、右近は怖がって動けず、宿直のものを呼んでも来なかった。
夕顔は恐怖から正気を失っているので、源氏みずから立って人を呼びにいく。


 この院のあづかりの子、むつましく使ひたまふ若き男、また上童一人、例の
隋身ばかりぞありける。召せば御答へして、起きたれば(源氏)「紙燭さして
参れ。隋身も弦打ちして、絶えずこわづくれと仰せよ。人離れたる所に、心
とけて寝ぬるものか。惟光の朝臣の来たりつらむは。」と問はせたまへば、
(あづかりの子)「さぶらひつれど、仰せ言もなし、暁に御迎へに参るべきよし申し
てなむ、まかではべりぬる。」と聞こゆ。この、かう申す者は、滝口なりけれ
ば、弓弦いとつきづきしくうち鳴らして、「火あやふし。」といふいふ、あづかり
が曹司の方に往ぬ(1)なり。内裏をおぼしやりて、名対面は過ぎぬらむ、滝口の
宿直申し今こそ、と推しはかりたまふは、いまだいたう更けぬにこそは。帰り
入りて探りたまへば、女君はさながら臥して、右近は傍にうつぶし臥したり。
(源氏)「こはなにぞ。あなもの狂ほしのものおぢや。荒れたる所は、狐などやう
のものの、人おびやかさむとて、け恐ろしう思はするならむ。まろあれば、
さやうのものにはおどされじ。」とて、引き起こしたまふ。(右近)「いとうたて、
乱り心地の悪しうはべれば、うつぶし臥してはべるなり。御前にこそわりなく
おぼさるらめ。」といへば、(源氏)「そよ。などかうは。」とて、かい探りたまふ
に、息もせず。引き動かしたまへど、なよなよとして、われにもあらぬさま
なれば、いといたく若びたる人にて、ものにけどられぬるなめりと、せむ方なき
心地したまふ。
(源氏物語・夕顔)
(1)下線部(1)の「なり」と同じ意味の「なり」はどれか。記号で答えなさい。
 また、その意味も答えなさい。
 
 ア.おとには聞けども、いまだ見ぬなり(竹取物語・火鼠の皮衣)
 イ.笛をいとをかしく吹き澄まして過ぎぬなり(更級日記)
 ウ.また聞けば、侍従の大納言の御女なくなりたまひぬなり(更級日記)
 エ.冷え入りにたれば、けはひものうとくなりゆく。(源氏物語・夕顔)

(2)下線部の主語はそれぞれ誰か。次の中から選び、記号で答えなさい。
 ア.あづかりの子  イ.若き男  ウ.上童  エ.隋身  オ.惟光
 カ.源氏  キ.女君(夕顔)  ク.右近

解答
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