■ Hello School 古典 文法 格助詞 練習問題 解答■
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1. (1)イ  イは主格、他は連体修飾格。

(2)C、G、H
  CとHは断定の「なり」の連用形
  Gは形容動詞「おもひのほかなる」の連体形の一部分。

(3)改変されている部分…「青海原」 もとの部分「天の原」

(4)ウ
 京の都で育った人にとって、月は山の端から出るものと決まっていたので、
 海から出ることは新鮮であった半面、自分がそれだけ異国な場所にいる
 表われでもあった。そのため、異郷への感を深めると同時に望郷の念を
 かきたてられるのである。そこで、同じような境遇であった安倍仲麿の歌
 を出すことで強調させ、自分も同じような気持ちであることを表している。
 




 十九日、天候が悪く、船が出ない。
 二十日・昨日と同じようなので、船が出ない。人々はみな、憂いなげく。
心苦しくじれったいので、過ぎ去った日数を、今日で何日、二十日かな、
三十日かなと、数えてばかりいたので、指も痛んでしまった。とてもつらい。
夜は寝れない。二十日の、夜更けの月が出てしまったことだ。山の端も
なく、海の中から出てきた。こうした風景を見てのことであろうか、昔、安倍
仲麿という人が、中国に渡り、帰ってこようとしたときに、船に乗る場所で、
あちらの国の人たちが、送別の宴を催し、別れを惜しんで、あちらの国の
漢詩を作ったりしたそうです。それでもまだ満足できなかったのであろうか、
二十日の夜の月が出るまでそこにいたということです。その月は(今夜の
月のように)海から出たということです。これを見て、仲麿殿が「私たちの
国では、こういう歌というものを、神代から神も詠み、今では上中下の身分
の人て゜も、こうした別れを惜しんだり、うれしいことがあったり、悲しいことが
あったりするときは、詠むのです。」と言って、詠んだ歌は、

 青々とした広い海を遠くはるかに見渡すと、春日の里の三笠山の上に出る
 あの月ではないか。

と詠んだそうです。
 あちらの国の人は、(和歌というものを)聞いても理解できないと思えました
が、歌の言葉の意味を、漢字で書き表して、こちらの言葉を伝習した人に
話して聞かせたところ、その意味が読み込めたのであろうか、実に意外な
ことに感心したのだそうです。中国と日本とでは、言葉は違っていても、月の
光にかわりはないはずなので、人の心も同じなのでしょう。ところで今、当時
のことを思い、ある人の詠んだ歌は、

 都では、いつも山の端から月が出て、山の端に入るものとばかり思って
 いた月が、その同じ月が、波間から出て、波間に入るものなのだなあ。
  
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