■ Hello School 古典 文法 形容詞 練習問題 ■
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1.次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。

 下わたりに、品賤しからぬ人の、事もかなわぬ人を、にくからず
思ひと、年ごろ経るほどに、親しき人のもとへ往き通ひけるほどに、
むすめを思ひかけて、みそかに通ひありきけり。珍しければにや、
はじめの人よりは志ふかくおぼえて、人目もつつまず通ひければ、
親聞きつけて、「年ごろの人をもち給へれども、いかがはせむ」と
て許して住ます。もとの人聞きて、「今は限りなめり。通はせてなと゜
もよもあらせじ」と思ひわたる。「往くべき所もがな。つらくなり果て
ぬさきに離れなむ」と思ふ。されどさるべき所も[ @ ]。
 今の人の親などは、おし立ちて言ふやう、「妻なども[ A ]人の
せちにいひしに、婚[あわ]すべきものを、かく本意にもあらでおはし
そめてしを、くちをしけれど、いふかひ[ B ]ば、かくてあらせ奉る
を、世の人々は、『妻据ゑ給へる人を。思ふとさいふとも、家に据ゑ
たる人こそ、やごとなく思ふにはあらめ』など言ふもやすからず。
げにさる事に侍る」など言ひければ、男、「人数にこそ侍らねど、志
ばかりはまさる人侍らじと思ふ。かしこには渡し奉らぬを、おろそか
に思さば、ただ今も渡し奉らむ。いとことやうになむ侍る」と言へば、
親、「さだにあらせ給へ」とおし立ちて言へば、男、「あはれ、かれ
もいづちやらまし」とおぼえて、心のうち悲しけれども、今のがやご
となければ、「かく」などいひて、けしきも見むと思ひて、もとの人の
がり往ぬ。
(堤中納言物語・はいずみ)
(1)本文から形容詞のシク活用を抜き出し、その活用形も
 答えなさい。

(2)[ @ ]〜[ B ]に「なし」を活用させて入れなさい。

(3)本文に出てくる男はどのような人物か。次の中から選び、
 記号で答えなさい。

 ア.根は悪くないが、思慮深く行動できない人物。
 イ.自分の気持ちに正直に決断する人間。
 ウ.社交に優れ、世渡り上手な人間。
 エ.世の中の意見に流されやすく、体裁を重視する人間。

解答
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