■ Hello School 古典 文法 助動詞 けり■
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けり 過去詠嘆の意味をもち、ラ変型の活用で、活用語の連用形に接続する。
基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用の型
けり (けら) けり ける けれ ラ変型

(1)過去…[〜だ]
けり 頼義も取り返したる馬をば郎等にうち預けて寝にけり(今昔物語集・二五−一二)
 (頼義も取り返した馬を家来に預けて寝てしまった。)
 
[終止]
紀の国の千里の浜にありける、いとおもしろき石奉れりき。(伊勢物語・七八段)
 ((土地の人が)紀の国の千里の浜にあった風流な石を献上した。)
 
[連体]
大きなる榎の木のありければ、「榎の木の僧正」とぞ言ひける。(徒然草・四五段)
 (大きな榎の木があったので、みんなは「榎の木の僧正」と言った。)
[已然]

(2)詠嘆…[〜だなあ・〜なことよ]
けり げにあはれなるものの隈ありぬべき世なりけりと…(源氏物語・橋姫)
 (なるほど、趣き深い、人知れない場所が確かにありそうな世の中であったなぁと…)
 
[終止]
波とのみひとつに聞けど色見れば雪と花とにまがひけるかな(土佐日記・一月二〇日)
 (波は聞いていると一つの音だが、色を見ると雪と花に見間違えてしまうものだなぁ。)
 
[連体]
追風の吹きぬるときはゆく船の帆手うちてこそうれしかりけれ(土佐日記・一月二六日)
 (順調に追い風が吹いているときは船の帆がはためいて手を打って喜んでいるようですが、
 乗っている私たちも同じようにうれしくて手を打っていることよ)
[已然]

※「き」と「けり」の違い
 「き」は作者が直接体験したときに使われ[直接体験]
 「けり」は過去に聞いた場合に使われる[過去の伝聞][間接経験]
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