■ Hello School 古典 文法 助動詞 らむ ■
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らむ(らん) 現在推量原因推量伝聞婉曲の意味をもち、四段型の活用で、
 活用語の終止形、ラ変型の活用語には連体形につく。
基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用の型
らむ らむ らむ らめ 四段型

(1)現在推量…[今ごろは〜ているだろう・〜だろう]
らむ あかねさす日に向かひても思ひ出でよ都は晴れぬながめすらむ(枕草子・二四〇段)
 (日向の国に行き、東から昇る日に向かっても、日の出る都を思い出してください。
  都では空も心も晴れないままで思い沈んでいるであろうと)
 
[終止]
風吹けば沖つ白波たつた山夜半にや君がひとり越ゆらむ(伊勢物語・二三段)
 (風が吹くと沖の白波が立つ。そのたつとは違うが、
   竜田山をこの夜中に一人で越えているのだろうか。)

 
[連体]
駒並めていざ見に行かむふるさとは雪とのみこそ花は散るらめ(古今集・春上)
 (馬を並べてさあ花を見に行こうよ。奈良の都は雪が降るように桜の花が散っているだろう)
[已然]

(2)原因推量…[〜なのだろう・どうして〜だろう]
らむ いとかく思ひ沈むさまを、心細しと思ふらむ(源氏物語・須磨)
 (私がこのようにとても思い沈んでいる様子を見て、心細いと思うのであろう。)
 
[終止]
ひさかたの月の桂も秋はなほ紅葉すればや照りまさるらむ(古今集・秋)
 (月にある桂も秋になれば紅葉するので、月の光が照りまさるのであろう)
 
[連体]
あさみこそ袖はひづらめ涙河身さへ流ると聞かばたのまむ(伊勢物語・一〇七段)
 (河の水が浅いので袖をぬらすのでしょうが、涙の河で体まで流されると聞きましたら、
 あなたを頼りに逢うことにしましょう)
[已然]

(3)伝聞…[〜とかいう]
らむ 鸚鵡、いとあはれなり。人のいふらむ言をまねぶらむよ。(枕草子・四一段)
 (オウムはとても趣が深い。人が言う言葉を真似するという。)
[連体]

(4)婉曲…[〜ような]
らむ おぼすらむ事、何事ぞ。(竹取物語・かぐや姫の昇天)
 (思っていらっしゃることとはどのようなことですか。)
[連体]

※「らむ]」の識別
・終止形+「らむ」→推量の助動詞「らむ」の終止(連体)形
  風吹けば沖つ白波たつた山夜半にや君がひとり越ゆらむ(伊勢物語・二三段)
   (風が吹くと沖の白波が立つ。そのたつとは違うが、
     竜田山をこの夜中に一人で越えているのだろうか。)


・命令(已然)形+「らむ」→完了の助動詞「り」の未然形推量の助動詞「む」の終止(連体)形
  それを射あてたまへ人に奉らむ。(大和物語・一四七段)
   (それ(水鳥)を射当てなさった人に(娘を)差し上げましょう。)

用言の未然形推量の助動詞「む」の終止(連体)形
  懈怠の心あることを知らや。(徒然草・九二段)
   (怠けた心が生じることを知らないだろうか。)

打消しの助動詞「ず」の未然形の一部推量の助動詞「む」の終止(連体)形
  いかが思はざらとおぼゆ。(枕草子・二六七段)
   (どうしていとおしく思わないだろうか)
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