■ Hello School 古典 文法 助動詞 めり ■
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めり 推量婉曲の意味をもち、ラ変型の活用で、活用語の終止形、ラ変型活用語の連体形につく。
基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用の型
めり (めり) めり める めれ ラ変型

(1)推量…[〜のようにみえる・〜のように思われる・〜ようだ]
めり この侍ぞ、よく聞かむとあどうつめり(大鏡・序)
 (この侍は熱心に聞こうと相づちを打つようだった。)
 
[連用]
これに薄を入れぬ、いみじうあやしと人いふめり(枕草子・六七段)
 (これら(秋の草の花)の中に薄を入れないのは、変であると人は言うと思われる。)
 
[終止]
あひ思はで離れぬる人をとどめかねわが身は今ぞ消えはてぬめる(伊勢物語・二四段)
 (私を思ってくれず、離れていく人も引き止められず、そんな私の身は今にも消えてしまいそうです。)
 
[連体]
あはれにいひ語らひて泣くめれど、涙落つとも見えず。(大鏡・序)
 (しみじみと語り合って泣いているように見えるが、涙が落ちるとも見えなかった。)
[已然]

(2)婉曲…[〜ようだ]
めり 声うちかはりて、鼻たびたびうちかむめり(大鏡・忠平伝)
 (声は急に泣き声になり、鼻を何度もかんでいます。)
 
[終止]
このごろ上手にすめる千枝・常則などを召して、作り絵仕うまつらせばや。(源氏物語・須磨)
 (最近名人だという千枝・常則などを呼んで、彩色させたいものだ。)
[連体]
※ラ変型活用語の連体形+「めり」
 ラ変型活用語の連体形に「めり」がつくと、連体形の語尾の「る」が撥音便化し、なおかつ、
その「ん」が表記されない場合がある。
あるめり→あんめり→あめり
 今一きは心も浮きたつものは、春のけしきこそあめれ(徒然草・一九段)
  ((秋よりも)一層心を浮き立たせるのは春の情趣に思われる。)

ざるめり→ざんめり→ざめり
 この頃となりては、ただごとらも侍らざめり(竹取物語・かぐや姫の昇天)
  (この頃はただ事ではない様子でございます。)

たるめり→たんめり→ためり
 これ賜はするぞ。衣すすけためり。しろくて着よ。(枕草子)
  (この衣を下さるのだよ。あなたの衣は汚れているようです。この衣できれいにしなさい。)

なるめり→なんめり→なめり
 仏の御験なめり(大鏡・序)
  (仏様のご利益なのでしょう。)

べかるめり→べかんめり→べかめり
 すずろなる死にをすべかめるかな。(竹取物語・龍の首の玉)
  (思いもよらない死に方をしそうにみえます。)
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