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います @いらっしゃる A〜でいらっしゃる[補助動詞]
 @事果つるままにこそ、中山へはいませしか。(大鏡・昔物語)
  (仕事が終わるとすぐに、中山へいらっしゃいました。)

 A主は二十五、六ばかりのをのこにてこそはいませしか。(大鏡・序)
  (あなたは二十五、六歳ほどの成人した男性でいらっしゃいました。)

います(そ)がり @いらっしゃる A〜でいらっしゃる[補助動詞]
 @むかし、堀河のおほいまうちぎみと申すいまそがりけり。(伊勢物語・九七段)
  (昔、堀河の大臣と申す方がいらっしゃいました。)

 A右大将に いまそがり ける藤原の常行と申すいまそがりて、(伊勢物語・七七段)
  (右大将でいらっしゃいました藤原の常行と申す方がいらっしゃいまして、)

おはさうず @いらっしゃる(お出かけになる) A〜でいらっしゃる[補助動詞]
 @いま二所[ふたところ]もにがむにがむおはさうじぬ。(大鏡・道長伝)
  (お二人もしぶしぶとお出かけになりました。)

 A心も惑ひて、恥ぢおはさうず(源氏物語・橋姫)
  (心乱れてしまい、恥ずかしがっていらっしゃる。)

おはします @いらっしゃる A〜でいらっしゃる[補助動詞]
 @むかし、惟喬[これたか]の親王[みこ]と申す親王おはしましけり。(伊勢物語・八二段)
  (昔、惟喬親王と申す方がいらっしゃいました。)

 Aくはしく、御有様も奏しはべらましきを、待ちおはしますらむを、(源氏物語・桐壺)
  (詳しくご様子も申し上げたいのですが、(私の帰りを)お待ちでいらっしゃるでしょうから、)

おはす @いらっしゃる A〜でいらっしゃる[補助動詞]
 @もし幸に神の救あらば、南の海に吹かれおはしぬべし。(竹取物語・龍の首の玉)
  (もし幸に神の助けがあるならば、南方の海に風に吹かれていらっしゃることでしょう。)

 A物語にある光源氏などのやうにおはせむ人を、年に一度にても通はし奉りて、(更級日記)
  (物語にある光源氏のようでいらっしゃる人に、年に一度でも通っていただいて、)

おぼしめす @お思いになる(思いなさる)
 @このたびはもの心細くおぼしめされて、(源氏物語・若菜上)
  (このたびは心細くお思いになられて、)

おほす @命令なさる Aおっしゃる
 @司司に仰せて、勅使少将高野のおほくにといふ人をさして、(竹取物語・かぐや姫の昇天)
  (各役所に命令を下して、勅使に少将高野のおほくにという人を指名して、)

 Aひがひがしからん人のおほせらるる事、聞きいるべきかは。(徒然草・三一段)
  (無風流な人のおっしゃることを、お聞き入れることができるであろうか。)

おぼす @お思いになる(思いなさる)
 @竹の名とも知らぬものを。なめしとやおぼしつらん。(枕草子・一三七段)
  (竹の名とも知らなかったのに。無礼者とお思いになっていることでしょう。)

大殿ごもる @お休みになれる
 @御草子に夾算さして大殿ごもりぬるもまためでたしかし。(枕草子・二三段)
  (御本に夾算をはさんでお休みになられてしまったのも、またすばらしいことでした。)

おもほす @お思いになる(思いなさる)
@もの心細げに里がちなるを、いよいよ飽かずあはれなるものに思ほして、(源氏物語・桐壺)
  (なんとなく頼りなく不安な様子で実家に帰ってしまいがちであるのを、
   ますます物足りなくいとおしいとお思いになられ、)


きこしめす @お聞きになる A召し上がる
 @かしこき相人ありけるを聞こしめて、(源氏物語・桐壺)
  (すぐれた人相見がいるのをお聞きになって、)

 A穢[きたな]き所の物きこしめしたれば、御心地悪しからむものぞ。(竹取物語・かぐや姫の昇天)
  (汚いところのものを召し上がっていたのだから、御心地が悪くなっているにちがいないでしょう。)

ご覧ず @ご覧なる
 @いといたう思ひわびたるを、いとどあはれと御覧じて、(源氏物語・桐壺)
  ((更衣が)ひどく思い悩んでいるのを、(帝は)とてもかわいそうだと御覧になって、)

しろしめす @お知りになる Aお治めになる
 @礼儀よくしろしめし、くもりなき鏡にてわたらせたまひつるを(平家物語・大臣流罪)
  (礼儀作法をよくお知りになり、くもりのない鏡のような方でいらっしゃったのに、)

 A親しき家司ども具して、しろしめすべきさまどものたまひ預く。(源氏物語・須磨)
  (側近の政治担当者たちをつけて、お治めしなければならないことをご指示なさってあずけなさる。)

たてまつる @召し上がる Aお召しになる Bお乗りになる
 @壷なる御薬たてまつれ(竹取物語・かぐや姫の昇天)
  (壷の中の御薬を召し上がりなさい。)

 A白き綾のなよらかなる、紫苑色など奉りて、(源氏物語・須磨)
  (白い綾織りのやわらかい下着に、紫苑色(の指貫)などをお召しになって、)

 B夜の明け果てぬ先に御舟に奉れ(源氏物語・明石)
  (夜が明けきらないうちにお舟にお乗り下さい。)

たぶ @下さる Aお与えになる Bお〜になる(なさる)
 @娘をわれにたべ(竹取物語・かぐや姫の生い立ち)
  (娘を私に(妻として)下さい。)

 A家に少し残りたりける物どもは、龍の玉を取らぬ者どもにたびつ。(竹取物語・龍の首の玉)
  (家にわずかに残った品々は、龍の玉を取らなかった家来たちにお与えになった。)

 Bなほうれしとおもひたぶべきものたいまつりたべ。(土佐日記・二月五日)
  (もっと(神様が)お喜びになるものをお与え下さい。)

たまはす @下さる Aお与えになる
 @給はせたる物、おのおの分けつつ取る。(竹取物語・龍の首の玉)
  ((大納言が)下さった物は、それぞれ分配して取る。)

 Aもとよりさぶらひたまふ更衣の曹司を、ほかに移させたまひて、上局に賜はす(源氏物語・桐壺)
  (もともとおいでになっていた更衣の部屋を、他に移して、(桐壺の更衣に)上局としてお与えになった。)

たまはる @下さる(お与えになる)
 @すは、稲荷より賜はる[しるし]の杉よ。(更級日記)
  (さあ、稲荷から下さった霊験ある杉ですよ。)

たまふ @お与えになる Aお〜になる(なさる)[補助動詞]
 [下二段活用の場合は謙譲語]
 @いみじう感ぜさせ給ひて、大袿[うちぎ]賜ひて(大鏡・昔物語)
  (とてもおほめになり、大袿をお与えになられ、)

 Aいとかなしく奉りたまふ御子なめれば、(源氏物語・若菜上)
  (とてもおかわいがりになられるお子様のようなので、)

つかはす @遣わしなさる Aお与えになる Bお帰しになる
 @竹取が家に御使ひつかはせ給ふ。(竹取物語・かぐや姫の昇天)
  (竹取の家にお使いの者を遣わしになる。)

 Aありつる御随身してつかはす(源氏物語・夕顔)
  (先ほどの御随身に命じて(返歌を)お与えになる。)

 B大御酒[おおみき]たまひ、祿たまはむとて、つかはさざりけり。(伊勢物語・八三段)
  (お酒を下さり、ご褒美までも下さろうとして、帰してくれなかった。)

のたまはす @おっしゃる
 @御後見したまふべきことをかへすがへすのたまはす(源氏物語・賢木)
  (お世話をなさることを繰り返し繰り返しにおっしゃる。)

のたまふ @おっしゃる
 @世になき物なれば、それをまことと疑ひなく思はん、とのたまふ(竹取物語・火鼠の皮衣)
  (「世にはないものなので、本物の皮衣だと疑いもなく思いなさい」とおっしゃいます。)

まします @いらっしゃる(おいでになる) A〜でいらっしゃる[補助動詞]
@神・仏明らかにましまさば、この憂へやすめたまへ。(源氏物語・明石)
  (神や仏が明らかにいらっしゃるならば、この嘆きをとめてください。)

めす @お呼びになる A召し上がる B取り上げなさる
C取り寄せなさる Dお召しになる Eお乗りになる
 @陪膳仕うまつる人の、をのこどもなど召すほどもなく、渡らせたまひぬ。(枕草子・二三段)
  (お給仕する人がお膳を下げる蔵人を呼ぶまもなく、(天皇様が)おいでになられた。)

 Aさしおかれつる杯取り給ひて、あまたたびし、(大鏡・道隆伝)
  (おいてある杯をお取りになり、何杯も召しあがり、)

 Bただ目鼻をば召すとも、このこぶは許し給ひ候はむ。(宇治拾遺物語・一−三)
  (ただ、目鼻をお取りになられたとしても、このこぶだけはお許し下さいませ。)

 C硯召して、あなたに聞こえたまふ。(源氏物語・橋姫)
  ((薫の君は)硯をお取り寄せなさって、(姫君たちに)さしあげる。)

 D御前に召しても。(源氏物語・明石)
  ((娘を)御前にお召し下さってでも(お聞かせ下さい)。)

 Eなに心もなう召されけり。(平家物語・主上都落)
  (無心で(乗り物に)お乗りになった。)
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