■ Hello School 古典 文法 助動詞 練習問題(5)■
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[範囲…ず じ まじ]
 
1.次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。

 かぐや姫の美しさは帝にまで聞こえるようになり、帝はそのかぐや姫を見ようと思い、
内侍なかとみのふさこを派遣するが、かぐや姫はこれに拒絶した。


 この内侍帰り、このよしを奏す。御門きこしめて、「多くの人殺してける
心にぞかし」とのたまひてやみにけれど、猶思しおはしまして、この女の
たばかりにや負けむ、と思して、仰せ給ふ、「汝が持ちて侍るかぐや姫
たてまつれ。顔かたちよしときこしめて、御使ひをたびしかど、かひなく
見え[ @ ]成りにけり。かくたいだいしくやは習はすべき」と仰せらる。
翁かしこまりて御返事申すやう、「このめの童は、たえて宮仕へ仕うま
つるべくもあら[ A ]侍るをもてわづらひ侍り。さりとも、まかりて、仰せ
言たまはん」と奏す。これをきこしめして、仰せ給ふ、「などか、翁の手に
おほし立てたらむものを、心にまかせ[ B ]む。この女もし奉りたるもの
ならば、翁にを、などか賜はせ[ C ]ん。」
 翁喜びて、家に帰りて、かぐや姫にかたらふやう、「かくなむ御門の仰
せ給へる。なほやは仕うまつり給は[ D ]」と言へば、かぐや姫答へて
いはく、「もはら、さやうの宮仕へ仕うまつら[ E ]と思ふを、しいて
仕うまつらせ給はば消え失せなんず。御官冠仕うまつりて、死ぬばかり
なり。」翁いらふるやう、「なし給ひ。官冠も、わが子を見たてまつらで
は、何にかはせむ。さはありとも、などか宮仕へをし給は[ F ]む。
死に給ふべきやうやあるべき」と言ふ。「猶そら事かと、仕うまつらせて、
死な[ G ]やあると見給へ。あまたの人の、心ざしおろかなら[ H ]
しを、空しくしなしてしこそあれ。昨日今日御門ののたまはんことにつかん、
人聞きやさし」と言へば、翁答へていはく、「天下の事は、とありとも、
かかりとも、み命の危きこそ、大きなる障りなれば、猶仕うまつる[ I ]
事を、まゐりて申さん」とて、まゐりて申すやう、「仰せの言をかしこさに、
かの童を、まゐらせむとて、仕うまつれば、宮仕へに出し立てば死ぬ
べし、と申す。宮つこまろが手に生ませたる子にもあら[ J ]。昔、山
にて見つけたる。かかれば、心ばせも世の人に似[ K ]侍り」と奏せ
さす。
(竹取物語・御門の求婚)
(1)文中の[ @ ]〜[ I ]に「ず」「じ」「まじ」のどれかを、当てはまる
 ように活用させて入れなさい。

(2)下線部A「冠」を与えられた場合、太政官であれば何という職が与え
 られるか、次の中から選び、記号で答えなさい。
 ア.少副 イ.少将 ウ.少納言 エ.中納言

(3)下線部B「やさし」の意味として、最も適当なものを選び、記号で答え
 なさい。
 ア.恥ずかしい イ.簡単だ ウ.荒っぽい エ.やさしい

解答
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